こんにちは、原板井まさまるです。今回は「オタクの脱・不審者コーデ」というトピックで語っていきます。初回なので概論なのです。
嗚呼、哀しからずや『オタクファッション・3つの神器』
さて、皆様「オタク」の「ファッション」といえば何を思い浮かべるでしょうか。
- お母さんが買ってくれたチェックのシャツをタックイン (シャツイン)
- 明らかに寄れている、場合によってはほつれや穴さえあるシャツやズボン
- チヨダの店先に並んでいたダンロップのタイヤスニーカー
まあこんなところでしょうか。筆者の原板井もオタクなので、母がcoenやら何やらで買ってくれたネルシャツを軸に、ユニクロのEZYジーンズ、そしてSauconyのShadow Originalなんかを着ておりました。流石にタックインはしてないけどな!
ここで重要なのが、これらはいずれもファッション上級者がやれば別におかしいコーデではありません。現に、全部ファッション系のサイトでしっかりと取り上げられています。
だからまあ、イケてるストリートファッショニスタなら多分これらのファッションはいくらでもまとめようがあるのです。でもそこは、我々オタクですから。
何をどうあがいてもネルシャツは、決まりません!
何をどうあがいてもダメージは、タダのボロ布にしか見えません!
何をどうあがいてもハイテクスニーカーは、馴染みません!
(まあそもそもダメージジーンズが欲しかったわけじゃなくて穴が開こうが「まだ舞える」と着続けただけのジーンズなんて価値はないよね)
「キモいは加害」!? 着れればいい時代の終焉
といっても、似合わない格好、ダサい格好で終わるならそれまでの話です。別に、似合わなかろうが周囲から浮こうが、裸一貫で街に繰り出しているわけじゃありません。それで終わりだったはずなのです。
さて、皆さんは共同体から迫害された経験はおありでしょうか。いや別に迫害といっても「学校のジョックスやクインビーのグループからいじわるされた」程度で構いません。オタクになった人たちは「強者」よりも「弱者」にいた世界の人間が多いように思えます。かの奇才、藤子・F・不二雄も小学生の頃は『いじめられっ子』であり、ある日イラスト趣味を持つ藤子不二雄Ⓐと出会ったことが後の漫画家へのきっかけとなっています。「子供の頃、僕はのび太でした」はあまりにも有名なセリフですね。
ではなぜ彼らはいじめてきたのでしょうか?深い理由なんてありません。「キモい」からです。オタクはキモいのです。気持ち悪いから、迫害する。動物の生存戦略としては原始的ながら最も有効であり、それが故に生物である人間は迫害を止められない。
そして、現代でさえなお、「キモい」から迫害が起きるどころか、迫害者は「キモい」ことを「被害」にすり替えるようにさえなりました。つまり、「キモい」ことは不快であり、不快であるがゆえに自分たちは「被害者」なのだと主張するようになったのです。
町中の萌え絵1つにしゃんどん騒いで、「私達は見たくないものを見せられた!」と叫び、やがてそれはそれらのターゲットであるオタクそのものにまで「チー牛」というレッテルを貼り、キモいから排除しなければならない、なぜなら我々は「被害を受けている」からだと声高に叫ぶ。すき家はそろそろキレていいと思います
さて、我々が「キモい」だけで加害者になるというのであれば、話はだいぶ変わってきます。服なんて着れればいいといい、それが2010年代までは「AKIBAファッション」としてある種受け入れられていたところもありました。無論「キモい」のでしょうが、「だから近寄らんとこ」で終わっていた話です。
しかし「加害者」であるならば、「近寄らんとこ」ではなく、共同体からの排除に繋がっていくわけです。無論世の大半の人はルックスだけで人を差別しないと信じています。しかしたまたま入った店の店員さんが「キモいは加害」と考えている、ただそれだけであなたも私も受けられるサービスが減るのです。同じ店に行き、同じ金額を支払っているにも関わらず!それどころか、やってもいない冤罪を「キモい」からふっかけられるかもしれません。なにしろ「キモいは加害」なら「『キモい罪』の悪人なんだから泥棒や痴漢くらいの余罪はあるだろ」となるのです!
そう、我々は「まともな格好にならなければならない」のです。
オタクは何故、ダサいファッションを着るのか
さて、なぜオタクは何故ダサいファッションを着るのでしょうか。そこには以下の理由があります。
- オタクはファッションに興味を持たないから
- オタクはファッションのトレンドを追いかけている暇があれば趣味を追いかけているから
- そもそもカジュアルコーデに正解がないから
特に重要なのは3つ目です。別にトレンドを追いかけていなくても、「正解」があるならそれさえ着とけばいいのです。ストリートファッションを追いかけて渋谷や原宿の街に潜り込んで彼らの真似をしなくとも、「ただしいファッション」が存在するならそれさえ着ておけばオタクは簡単に「キモい罪」に該当する加害行為を止めることができる。
でも実際はどうか?ファッションの「ふつう」とはトレンドのことです。スキニーパンツを履いてたと思えば今度はそれらをバッサリ捨ててビッグシルエットを着こなせと言うのはオタクには不可能です。いや仮に今年は頑張れたとして、来年再来年にはビッグシルエットがウケてないかもしれない。
所詮我々オタクにファッショントレンドを追いかけ続ける体力はない。R (リアルに) T (つらくて) A (諦める) 。我々は10年20年単位でナウなヤングにバカウケのチョベリグコーデを渋谷・原宿の若者が「俺もやったんだからさ」と言ってきても追走できないのです。
しかしここに福音があるのです。
「ビジカジ」「オフィカジ」「きれいめカジュアル」?これだ!
時代は移り変わりました。かつてビジネスと言えばどれだけ痛くても固い革靴を履き、どれだけ暑くてもスーツを着て野を駆け、山を駆け、夜討ち朝駆けで営業するのが当たり前でした。しかし今はどうでしょうか?スーツを着る前提ではあり得なかった半袖シャツが許され、スニーカーで仕事することが許され始めたのです。そしてそこから「ビジネスの場でも認められる程度のカジュアルコーデ」という、ゆるいのにかっちりした、かっちりしているのにゆるいコーデが生まれました。
これが「ビジネスカジュアル」であり、「オフィスカジュアル」です。また、この文脈を引用しつつビジネスウェア・オフィスウェアを用いないコーデもあります。「きれいめカジュアル」です。
ビジネスの場ですから、当然「身綺麗」でなくてはならない。そのうえ、「カジュアル」ではあるので私服であり、オフであっても着れる服。それが「ビジカジ」「オフィカジ」「きれいめカジュアル」なのです。これであれば、流行に妨げられて落伍する心配は皆無。ただ同じような色使いのものを同じように揃えておけば、我々オタクも不審者・加害者から脱却することができます。
休日であってもこの格好で歩き回ることはおかしくはありません。完全なビジネススーツで街を歩けば逆に不審でしかありませんが、ビジカジ・オフィカジ程度なら「ああ、平日休みのオフィスなんだな」「フリーランスの方なのかな」程度で終わるのです。仮にスーパーで野菜や鮮魚を見ていても、AKIBA・ポンバシでマップやドスパラを巡ろうとも。
しかしビジカジ・オフィカジ・きれいめカジュアルは「ファッションのイロハ」を抑えた人たちがやることでふつうにきれいめの見た目に落ち着くことができるとも言えます。どういうことか?「オタクはファッションを学ぶべき時期にロボットやら戦車やら推しキャラの勉強に勤しんでいた」という事実がここで大きくのしかかってくるのです。
- ファッションの基礎中の基礎を知らないし
- だからいい服を買ってもうまく着こなせないし
- そもそもいい服を買う金があったら円盤やグッズにつぎ込むし
- タカキも頑張ってたし
そこで我々は最低限のイロハを学ばんとしなければならない。我々は高い服を買わず、さりとて加害行為に当たるクソダサチェックシャツタイヤスニーカーコーデを脱却し、ファストファッションやプライベートブランドで高見えするまともな服を着るために、そしてそれによって趣味に打ち込みつつも健康で文化的な生活を送るために。
『オタクの脱・不審者コーデ』ではそれを研究していくものとします。


